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「やりたいか × できるか」にこだわる!知られざるフリーコンサルタントの世界感
福原則夫様 フリーコンサルタント
元ファームコンサルタントが独立時の懸念をどう解消し、独立後のフリーランスとしての生き方をどのように確立してきたのか、をお伺いしました。
今回のインタビュアーはアサインナビカスタマーエクスペリエンス部部長の神田が担当しました。
ファーム時代は会計領域の上流工程を担当
アサインナビ神田(以下、神田):本日はお忙しい中お時間いただきありがとうございます。まずは独立に至るまでのご経歴を教えていただけますか。
福原様(以下、福原):アサインナビに出会ってフリーランスになる前は、アーサー・アンダーセン(現アクセンチュア)で会計系のプロジェクトや業務コンサルティング、M&Aプロジェクトに従事してきました。主に会計分野における上流工程(パッケージセレクションや構想設計)に携わることが多く、会計領域におけるコンサルタントとしてのキャリアを積み上げてきたという印象です。私が入るのは上流の戦略・業務レイヤーだったため、開発工程やテスト工程はあまりやってこなかったです。コンサルティングファームでのキャリアは年次を増すごとにマネジメントでの役割を与えられることが多くなり、自分の手で業務にかかわりたい、クライアントに寄り添って仕事をしたいと感じていました。
そんな思いがあった中で、アンダーセン時代のつながりもあってアサインナビをご紹介いただく機会があり、その後フリーランスとして独立することなりました。
フリーのコンサルタントになってみて
神田:フリーとしてこれまでに参画した案件数と、それらの契約継続の流れを教えてください。
福原:これまで2年少々フリーランスでやってきて、アサインナビ経由で5つの案件に携わらせていただきました。同じクライアント企業さんの別プロジェクトの案件もあるので、企業単位では3社とのお付き合いでしょうか。
一度フリーランスとして案件に参画すると、契約終了1か月前に継続の有無を担当のエージェントと確認します。もし他の案件の紹介を受けたいときはそのタイミングでエージェントに退場意思を伝え、別のおすすめの案件を再度選んでもらうことになります。
神田:仕事を選ぶ基準などはありますか。
福原:はい、私の中で2つの軸で仕事を選ぶかを決めています。それは①やりたいか/やりたくないかの軸、そして②できるか/できないかの軸です。
まず1つ目の軸に関しては、自己成長や達成感、知的欲求を満たす新しい領域の「やりたい」案件を選ぶようにしています。新しい領域というと2つ目の軸と矛盾するように聞こえますが、今までの経験からプロジェクトやタスクの進め方のイメージがつくものであれば多少仕事の業界が違っても問題なくチャレンジできると考えています。むしろ領域が違っても業務のイメージはつくので、そこが楽しく感じますね。2つ目の軸に関しては、確実にできるかできないかという目線で選んでいるので、私は長期的なキャリアの目線はあまりもっていません。
2つ目の軸に関しては、会社としての後ろ盾がなくフリーランスとして報酬をもらっている以上、いただいたお仕事は必ず「できる」必要があります。失敗できないという緊張感をもって参画する案件は決めています。
福原則夫様:
早稲田大学卒業後、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア株式会社)入社。 |
神田:フリーランスとしてのキャリアについて感じることはありますか。
福原:ファームに所属しているコンサルタントは、チームと役職が固定化していくため、同じような領域の同じような仕事の繰り返しとなりがちです。大手ファームのキャリアは「その領域の専門家」に落ち着くので、その点フリーランスとしての一番の魅力は自信があれば新しい領域にもチャレンジできるということだと考えています。前述のとおり、もちろん今までの経験をいかせばできるという自信があるという前提ですが、会社員時代よりも仕事は選べています。もっとも、書類・面談選考で落ちることも多いです。また、案件にもその時の流行や市場のトレンドがあることを留意しておく必要があります。はやりに流される部分はあるので、明確に長期のキャリアを描かれている方には、フリーランスとしての生き方はお勧めできません。自分でやりたいことがある場合は事業を立ち上げた方が早いでしょうし、一直線にスキルアップしていくようなキャリアパスは流動的なフリーコンサルタントの働き方では築きにくいですからね。
神田:かなりお忙しいイメージがありますが、ワークライフバランスはどうされていますか。
福原:独立前から勤務時間や休暇など、会社員に比べて融通がきくというのははたして本当なのか気になってはいましたが、実際独立してからは、自分が働くことができ、そのチャンスがあるうちにしっかりとお仕事をさせていただくようにしています。けがや病気などのリスクや、運悪く何か月も仕事が見つからないことがあるかもしれませんからね。いままでそのようなことはないですが、常に不安に感じている部分はあるので、私の場合は仕事があるときはやるようにしています。
神田:報酬の高さで案件を選ぶことはないのでしょうか?
福原:生活がかかっているので、報酬となる月あたりの案件単価はもちろん重視しています。単価は高いことに越したことはないですよ。ただし、固執しているかと聞かれると私はまずは先述の2つの軸で仕事を選ぶ部分が多いです。過去にファームコンサルタントとして働いていた経験から役割や仕事内容に対する単価の相場は把握しているので、その点単価交渉はスムーズに進められているように思います。
神田:フリーランスとして働く中で意外に感じる点はありますか。
福原:会社という後ろ盾がないので当然ですが、本当に人によって考え方が違うんだな、と感じることはあります。コンサルティングファームごとに存在する働く姿勢やカルチャーといったものがフリーになるとその方次第ですからね。フリーでコンサルタントをやっていると横のつながりは多くないのですが、案件で交流することがあれば情報を交換することがあるんです。フリーランス同士のつながりで案件の引き合いが来ることがあるんですが、「プチ」エージェントとして活動されている方なんかもいて、「うまいな」と感心することもあります。もっとも私が入る案件で他のフリーの方に出会うことは少ないです。フリーランスとして参画する案件はファーム時代に比べると規模が小さく、自分以外は全員クライアント側の社員ということが多いですからね。最近は自分もクライアント企業の社員の一員になった感覚で仕事をしています。
ーフリーのコンサルタントとしてご活躍されている福原様にお話をお伺いしました。「稼げるうちに稼ぐ」というストイックな姿勢や、今までの経験やスキルをベースに新たな挑戦を「やれるか」しっかりと判断されているなど、とてもスマートな印象の方でした。福原様、貴重なお時間をいただきありがとうございました。
アサインナビ津田 = 文 アサインナビ神田 = インタビュー